天邪鬼の独り言

日記、エッセイ、独り言、愚痴、フィクション、なんでもありのブログです。書きたいことを書きたいスタイルで書いていきます。

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撲が撲である理由

ターミナル駅の地下道の雑踏の中を歩いていた。低い
天井が真っ直ぐに伸びるその下は、人で埋まっている。
人の群れ。そう表現するに相応しい人の数と密度だ。
そのときふと思った。俺もその群れを構成する一人に
過ぎないと。俺と他者を区別するもの、俺が俺である
ことは、何で証明できるのだろうか?と。

15年以上前に観た映画で『ベルリン天使の詩』がある。
その映画の中で誰の台詞だったか「撲が撲で、君が君
なのは何故?」というような意味のことを言っていた
のを思い出した。

自分が自分であること。信じて疑わないようなことだ
が、考えてみるとその根拠は無きに等しいようにも思
えてくる。

そんな想いを詩にしてみた。

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撲はどこから来たのか?
肉体的には母の子宮からということになるが、
その前は?
母の卵子と父の精子からか?
だとすれば、撲は分裂していたのか、
二つの生命として。
でも、それは母の細胞であり、父の細胞ではないのか?
そして心は?
撲の心は何処からきたのか?

撲は何故この国に生まれたのか?
撲は何故この時代に生を授かったのか?
そして僕は何故、
今ここに、薄暗い部屋でパソコンの前に一人座っているのか?

撲が撲であり、君が君であることに
何か意味があるのだろうか?
撲が君で君が撲だったら?
何か世界は変わるのだろうか?

撲は何とか生き延びようと祖国を脱出してきた
アフガニスタンの難民ではなく、
自分の夢を実現しようと中国からやって来た留学生でもない。
撲は母国に残してきた両親と子供のために、
クラブで働くフィリピン人ではなく、
連休にハワイに行くことを励みに働く銀行員でもない。

でも、撲がアメリカの大統領だったとしたら、
世界は変わるのだろうか?
きっと、そのとき、撲は今の撲ではなく、
他の別の誰かが、
今の撲のように生きているような気がする。

撲が撲である存在証明。
きっとそんなものは無いのだろう。
かつて撲が母の卵子であり、
父の精子であったように。

そして僕に心があるのは、撲が人の群れの一部だから。
心は一人では育たない。
心は一人ではいられない。
世界中の水が注いで海になるように。
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